下出蒔絵司所

蒔絵とは、

漆器の上に金粉や銀粉で絵付けを施したもの。漆で模様を描き、直ちに金などの粉末を蒔き、さまざまな加工を施します。京都で1200年以上の歴史を持つ漆を使った工芸技法。日本独自に発達してきたジャパンオリジナルで、小文字のjapanは蒔絵漆器を指してきました。

漆は、東アジアに植生を持つ樹木「ウルシノキ」から採取した樹液で、精製して漆器に使用する天然塗料です。日本での遺跡からの最古の出土品は、平成一三年に北海道の垣の島B遺跡から出土した、今から九千年前の縄文時代早期のもので、世界最古のものです。

道具・材料

漆刷毛
蒔絵筆
粉筒
粉匙
粉鎮
毛棒
鯛牙

漆各種
貝各種
木炭
卵殻
金銀粉など各種
京都オパール

制作工程

美術蒔絵 下出蒔絵司所

工房紹介

蒔絵を中心とした制作や修理修復を活動の柱としています。こだわりは、あくまでも伝統技法。印籠の修理から大型パネルの創作まで、多くの弟子とともに、日々新たな取り組みにチャレンジしています。ほかに文化財の調査や保存修理を手がけ、研究活動にも力を入れています。

工房の歩み

明治45年、初代祐顕(本名・才一郎)が、京都市下京区で開業。師は水橋氏で、六角紫水の流れをくむ。二代祐堂(本名・行雄)、三代祐太郎。平成23年創業100周年を迎える。祐顕、祐堂と厚生労働省の「現代の名工」を受章。祐堂は勲六等瑞宝単光章受章。代々、京都府仏具協同組合に所属。即位礼、大嘗祭の神器調度蒔絵、伊勢神宮式年遷宮の御神宝に携わる。

下出祐太郎
家系図

下出祐太郎

下出蒔絵司所三代目
1955年京都市生まれ 
博士(学術)・伝統工芸士
即位礼や大嘗祭の神祇調度蒔絵や、
第61・62回伊勢神宮式年遷宮御神宝蒔絵を手がける
京都迎賓館では水明の間の飾り台「悠久のささやき」等を制作
第14回~第37回日展24回連続入選 以後フリーで活動 
京都府伝統産業優秀技術者表彰等受賞多数
京都産業大学名誉教授
外務省日本ブランド発信事業によりヨーロッパ3国で講演及び実演
後継者育成に力を注ぐ一方、漆芸の研究、漆や文学の講演、
執筆活動にも取り組む

文化財の調査・研究、そして展開 高台寺蒔絵と南蛮漆器研究と復元的制作

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